うさぎ避妊手術は反対?賛成?死亡・失敗リスク・デメリット…私が避妊手術を決めた理由

うさぎ避妊手術は反対?賛成?《死亡・リスク・デメリット…》私が避妊手術を決めた理由

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10年以上ウサギ3匹と暮らして感じた「幸せ」と「苦労」をもとに、お悩み解決案を提案します。記事最下部にコメント欄あり。気軽に育兎相談どうぞ。愛玩動物飼養管理士(登録番号241110200号)

「ウサギに避妊手術を受けさせるか迷っている…リスクや死亡率が高いって聞くから心配」

まい

最初にお伝えするとウサギの避妊手術は犬・猫と比べてリスクが高いと言われています。

でも私はウサギに避妊手術を受けてもらいました。

  • 避妊手術のリスク・デメリット
  • 私が避妊手術を決めた理由

について今回はお話したいと思います。

《私の想い》

ウサギの避妊手術には賛否両論あります。
 
「病気ならまだしも健康な体にメスを入れるなんて…」など反対意見があるのは十分理解しています。
 
本記事もけっして避妊手術を強く勧めているわけではありません。
 
でも1つの偏った意見より世の中には色んな意見があった方が、選択肢の幅増えてより良い選択ができると思いませんか?
 
「ウサギとの10年後」を考えた結果、避妊手術を決断した私の経験が皆さんのお役に立てば幸いです。

今回お話するのはメスウサギの避妊手術です。オスウサギの去勢手術については下記を参考にしてください。

うさぎ去勢は必要か?不要か?メリット・デメリット・死亡リスク…私が手術を選んだ理由を話しますうさぎ去勢は必要か?不要か?メリット・デメリット・死亡リスク…私が手術を選んだ理由を話します

うさぎの避妊手術とは?どんな手術なの?

うさぎの避妊手術とは?どんな手術なの?

「開腹手術の跡」

避妊手術とは?

ウサギに全身麻酔をかけてお腹を開腹する手術。年齢や状況に応じて「卵巣のみ」または「卵巣と子宮」を摘出する(※)

参考書籍:よくわかるウサギの健康と病気p112

我が家のウサギは「卵巣と子宮」を摘出しました。

獣医さんからは、

「1度に両方取ってしまった方が体への負担が少ないし、女の子ウサギ特有の病気を確実に予防できるよ」

と説明を受けました。

まい

病気などの「予防を目的」に避妊手術する場合は、両方摘出が一般的なようです。

雌うさぎは避妊手術した方が良い?しない方がいい?

雌うさぎは避妊手術した方が良い?しない方がいい?

「答えは1つじゃないよ」

避妊手術は必要?
  • 妊娠や出産をさせる予定がない
  • 病気を予防したい
  • メスとオスを多頭飼いしている
  • ウサギの凶暴性に疲弊している

上記に当てはまるなら1度は検討した方がいい。

避妊手術を受けさせるか・受けさせないかは飼い主の気持ち次第です。

私が避妊手術を選択したように、「避妊手術を受けさせない」のも1つの選択だと思います。

ただし「何となく避妊手術はしない予定でいる」のであれば、ぜひ1度避妊手術を検討してください。

避妊手術にはデメリットもあればメリットもあります。

メリットとデメリットの両方を知った上で、悩んで悩んで悩み抜いてから受けさせるか・受けさせないか決めてください。

何も考えずに選択すると「やっぱりあの時〇〇すればよかった」と後々後悔します。

まい

まずは避妊手術のメリットから紹介しますね。

うさぎ避妊手術のメリットとは?

うさぎ避妊手術のメリットとは?

私がリスクがあるのに、あえてウサギに避妊手術を受けてもらったのは、「リスク以上のメリットを感じた」からです。

避妊手術のメリット
  • 女の子特有の病気予防
  • 偽妊娠の予防
  • 望まない妊娠の予防
  • 縄張り主張が減る
  • トイレのしつけがしやすくなる

①避妊手術は雌うさぎ特有の病気予防になる

避妊手術は雌うさぎ特有の病気予防になる

メリット①
女の子ウサギは3歳を超えると、高確率で子宮・卵巣・乳腺の病気が生じる。避妊手術をすれば、メス特有の病気はほぼ確実に予防できる。

メスウサギ特有の病気の怖さは発症率の高さです

飼育書やWEBサイトによって情報は異なりますが、ほとんどのメスウサギが「子宮がん(乳腺のがん含む)」にかかると考えてください。

個体差はありますが、3歳を超えたくらいからメスでは子宮がなんらかのトラブルを起こし始めます。その確率は文献によっては80%を超えるとも言われています。

引用元:ラパン動物病院

若いうちに早期発見できれば助かる可能性がありますが、ウサギの年齢によっては体力問題で手術自体が難しいです。

発症率の高さから犬や猫と同じように、予防として避妊手術を勧める獣医さんが昔と比べ多くなっています。

まい

私がお世話になっている獣医さんからも「受けさせた方がいい」とキッパリ言われました。

②避妊手術は雌うさぎの偽妊娠予防になる

避妊手術は雌うさぎの偽妊娠予防になる

「牧草や体毛で巣作りをする」

メリット②
偽妊娠の行動を予防できる。偽妊娠によるストレスがなくなるので、性格が穏やかになるウサギも多い。

ウサギの偽妊娠とは妊娠していないのに、

  • 肉垂の毛をむしる
  • 巣作り行動、
  • 乳汁の分泌

など出産に向けた準備をしてしまう行動です。

ホルモン異常によって精神的に不安定になり、攻撃性が増してしまうウサギもいます。

まい

ウサギ・飼い主の双方に大きなストレスとなってしまう偽妊娠ですが、避妊手術で行動の「落ち着き」や「予防」が期待できます。

③避妊手術で雌うさぎの妊娠を予防できる

避妊手術で雌うさぎの妊娠を予防できる

「ウサギは1度に4~8匹出産することも…」

メリット③
オス・メスで飼っていて、出産させるつもりがないなら、絶対に避妊手術を受けさせた方がいい。避妊手術すれば確実に妊娠を予防できる。

短時間でもオス・メスウサギが同じ場所にいれば、高確率で妊娠します。

「ケージは別だし、部屋んぽも一緒にさせていないから大丈夫!」と思っている方へ。

親ウサギが野犬に襲われ脱走し、妊娠・出産を4~5回繰り返した事例が身近でありました。

1匹は私が引き取り、3代目ウサギとして我が家で生活しています。

まい

キチンと分けているつもりでも、何かの拍子で一緒になってしまう可能性は否定できません。

まい

多頭飼いでこれ以上飼育するキャパがない場合は、必ず避妊手術しておきましょう。

④避妊手術でマーキングや攻撃性が減る可能性がある

うさぎ避妊手術で縄張り主張(マーキング)や攻撃性が減る

メリット④
避妊手術で性ホルモンの影響をほとんど受けなくなる。手術後にウサギの「攻撃性が減る」や「性格が穏やかになる」などの変化を感じる飼い主が多い。

性ホルモンは攻撃性や支配性、縄張り意識、活動性を高める作用があります(参考元:環境省)

  • 飼い主への高い攻撃性
  • スプレー(飛びチッコ)
  • 縄張り主張のマーキング
  • トイレやケージを荒らす行動
  • わざと大きな音を立てて暴れる
  • マウンティング…etc.

避妊手術を受ければ性ホルモンの影響を受けなくなるので、問題行動が改善するウサギが多いです(※個体差あり)

まい

実際に我が家のウサギは避妊手術後から徐々に行動が落ち着き、甘えん坊のベタ慣れウサギへと変貌しました。

まい

今考えると「性ホルモンの影響でイライラしていたのかな?」と思います。

⑤避妊手術でトイレのしつけがしやすくなる

うさぎ避妊手術でトイレのしつけがしやすくなる
「我が家ではトイレが完璧になった」

メリット⑤
避妊手術後はトイレの躾がしやすくなる。失敗続きだったウサギも、トイレを覚えてくれる可能性がある。

避妊手術をすると縄張り主張が減るので、トイレの成功率も上がる可能性があります。

実際に我が家のウサギも避妊手術後しばらくしたら、今まで2つ使っていたトイレが「左上の白トイレ」だけに固定。「右上のオレンジトイレ」は一切使わなくなりました。

現在では一切粗相しません。

まい

個体差があるので「もしかするとトイレを覚えてくれるかも?」ぐらいに考えておいてくださいね。

うさぎ避妊手術のリスクとデメリットとは?

病気予防だけで考えれば、ウサギに避妊手術を受けてもらった方がいいです。

「じゃあ何で避妊手術を受けさせない飼い主がいるの?」と思いますよね。

答えは手術中~手術後の死亡リスクの高さにあります。

「病気予防のために避妊手術を受けさせたいけど、手術で死んでしまったら…」と考え、避妊手術を受けさせない飼い主さんが多いのです(私も本当に悩みました)

まい

どんなリスクがあるか紹介しますね。

避妊手術のリスク
  1. 麻酔管理が難しい
  2. 手術の難易度が高い
  3. 手術後の食事拒否

①うさぎの避妊手術は麻酔管理が難しい

うさぎの避妊手術は麻酔管理が難しい

ウサギの麻酔管理は、犬・猫と比べて難しいと言われています。

私が避妊手術をお願いした病院の獣医さんからも、下記のような説明を受けました。

・ウサギ専用の麻酔薬が無い・・・犬猫用や人体用の麻酔薬を流用しなければならない
・体が小さく、麻酔中に体温が低下しやすい(麻酔覚醒後も体温が安定しない)。
・麻酔の深度(効き具合)が確認しにくい・・・結果他の動物より深い麻酔になりやすい。
・ストレスに弱い・・・恐怖や痛みのストレスによるアドレナリンショックによる突然死。
・気道が確保しづらい。

引用元:あおぞら動物病院院長ブログ

昔と比べると麻酔のリスクは大幅に減っていますがゼロではありません。

脅したいわけではありませんが、実際に麻酔で死亡したウサギもいます。100%安全な麻酔は現状ないのです。

読んでいて胸が苦しくなりました。

うさぎの麻酔による死亡はよくあることですか? 骨折したうさぎを病院に連れて行ったら麻酔のショックで死んでしまいました。 麻酔のショックで死ぬ場合、うさぎは痛かったり苦しかったり しますか? 意識がない状態で逝ったのでしょうか? せめて苦しまずに逝ってくれたのならと思います。

引用元:知恵袋

②避妊手術は難易度が高くうさぎへの負担も大きい

避妊手術は難易度が高くうさぎへの負担も大きい

ウサギの避妊手術は「開腹手術」になるので難易度が高く、ウサギへの負担もかなり大きいです。

とくに女の子ウサギは1歳以降、「脂肪のつきがよくなるので手術の難易度が上がる」と、私は手術前に説明されました。

うさぎの内臓は少し力加減を誤ると切れたり裂けたりしてしまいます。子宮や卵巣に繋がっている血管も非常に繊細で、無理に引っ張ると切れて大出血を起こします。

引用元:こまきやま動物病院

避妊手術の成功は獣医さんの腕にかかっているのですが、犬猫と比べるとウサギはキチンと診れる獣医さん自体が少ないです。

動物病院選びの難しさも避妊手術のリスクの1つだと私は感じています。

③避妊手術のストレスによる食事拒否で死亡するうさぎが多い

うさぎ避妊手術後は高確率で食事拒否する

ウサギは避妊手術による痛みやストレスなどから、高確率で食欲不振に陥ります。

実施に我が家のウサギも手術後2日間は自力で水さえ飲めないような状態で本当に怖かったです…

常にお腹が動き続けているウサギにとって、食事がとれないのは死活問題。

「そのうち食べるだろう」と放ったらかしにしていると、やがて死に至る可能性が高いです。

まい

「ウサギの避妊手術は死亡率が高い」と言われているのは、「手術後のケア」の難しさにもあるのだと思います。

まい

私自身、強制給餌などを開始するタイミングが遅かったり、そもそも強制給餌に関する知識がなかったりしたら…今隣にウサギはいなかったと思います。

うさぎの避妊手術はエゴかもしれないけど可能な限り一緒にいたい

避妊手術はエゴかもしれないけど可能な限り一緒にいたい
「ずっと一緒にいたいね」

正直言って避妊手術が「正解」なのかはいまだにわかりません。

リスクはもちろん動物の意思を聞くことなく、生殖能力を奪う行為なので反対派がいるのも当然です。

ただ私はエゴだとしても、「はなちゃん」と1秒でも長く一緒にいたい。いざ病気になった時に「あの時、避妊手術しておけば…」と後悔したくない。

この一心で避妊手術を決めました。

迷っている方へ

避妊手術するか迷っている方は1度、「今」だけではなくウサギと自分の「10年後を想像」してみるといいと思います。
 
もちろん今だけの気持ちで決めるのも、決して間違いではありません。
 
でも将来後悔しないためには「5年、10年後…」を1度じっくり考えてみるのも大事ですよ。

うさぎ避妊手術の死亡リスクを軽減する方法はある?

うさぎ避妊手術の死亡率の軽減方法はある?

ウサギの避妊手術にはリスクがありますが、飼い主の事前準備でリスクを大幅に軽減できます。

私が避妊手術前にした事前準備を紹介しますね。

リスク軽減方法
  1. 信頼できる獣医を見つける
  2. 手術前にキチンと血液検査をする
  3. 生後6~12か月までに避妊手術を受ける
  4. 避妊手術後のケアを勉強しておく
  5. 抱っこをマスターしておく

①うさぎの避妊手術前に信頼できる獣医を見つける

うさぎの避妊手術前に信頼できる獣医を見つける

まずは信頼できる獣医を見つけましょう。

できれば電話や口コミだけで決めるのではなく、1度健康診断がてら受診して獣医さんのウサギへの接し方をチェックしてください。

私が選んだ理由

私が「この先生なら信頼できる!」と強く感じたのは、避妊手術について質問した際に、「長く一緒にいたいなら避妊手術は受けた方がいいよ」と即答してくれた時です。
 
あと私が聞かなくても避妊手術のリスクについて、獣医さんの方から伝えてくれたんですよね。
 
あくまで私の経験上ですがウサギへの知識が浅かったり、腕に自信がなかったりする獣医さんは避妊手術自体を勧めてこないからです。

一概に上記が合っているとは限りません。

どうせ避妊手術を受けるなら経験豊富で、腕に自信のある先生にお願いしたいと私は思ったので、即答してくれた獣医さんを選びました。

まい

避妊手術に対して疑問・不安に思っている点もドンドン質問しましょう。良い先生なら面倒がらずにキチンと答えてくれますよ。

②うさぎの避妊手術前に血液検査を受ける

うさぎ避妊手術前に血液検査を受ける

ウサギが麻酔に耐えられるか検査するために、避妊手術の2週間前ぐらいに血液検査を必ず受けましょう。

我が家のウサギは基準値以下の部分もありましたが、「手術を受ける上で問題ない」など結果を見ながら丁寧に説明されました。

基本的に血液検査代は避妊手術代に入っています。

まい

まともな動物病院であれば血液検査なしで、いきなり避妊手術をしたりしないので安心してくださいね。

③生後6~12か月までの避妊手術でうさぎの死亡リスクが大幅に減る

生後6~12か月までの避妊手術でうさぎの死亡リスクが大幅に減る

女の子ウサギは生後12か月を過ぎると、脂肪がつき手術の難易度が上がります。

我が家がかかりつけ医にしている獣医さんからも、「避妊手術はなるべく1歳までに」と言われました。

ちなみに我が家は生後7,8ヶ月の時に避妊手術を受けましたよ。

まい

避妊手術をするなら生後12か月までが手術の安全上オススメです。

④うさぎの避妊手術前にケア方法を勉強しておく

うさぎ避妊手術前に手術後のケア方法を勉強しておく

ウサギに避妊手術を受けさせる前に、避妊手術後のケア方法について勉強しておきましょう。

ウサギは避妊手術後に100%必ず薬を飲ませなきゃいけませんし、自力で何も飲み食いできない時は強制給餌しないといけません。

でもいざ投薬や強制給餌が必要になっても、知識がなければうまく対処できないからです。

まい

実際に避妊手術で想像以上に弱ったウサギを前にして「事前に勉強しておいて良かった」と心の底から思いました。

うさぎ避妊手術後気をつけること《体験レポ》食事・薬の注意点とは?うさぎ避妊手術後気をつけること《体験レポ》食事・薬の注意点とは?

⑤うさぎ避妊手術前に抱っこをマスターしておく

うさぎ避妊手術前に抱っこをマスターしておく

できれば避妊手術前に抱っこをマスターしておきましょう。

ほとんどのウサギは投薬や強制給餌を嫌がります。

嫌がったとしてもウサギのために、無理やりでも薬は飲ませないといけないですし、食欲がなければ強制給餌が必要です。

でも抱っこができないと投薬や強制給餌って難しいんですよね…ウサギが暴れるので。

まい

我が家のウサギは強制給餌が必要だったので、抱っこ慣れさせておいて正解でした。

【元できない飼い主が伝授】うさぎの抱っこ嫌い克服方法とは?抱き方~練習の仕方まで徹底解説【元できない飼い主が伝授】うさぎの抱っこ嫌い克服方法とは?抱き方~練習の仕方まで徹底解説

うさぎに避妊手術しないなら定期的に健康診断を受けた方がいい

まとめ

「ウサギに避妊手術を受けさせない」コレも1つの正しい選択だと思います。

私自身も誰かに「避妊手術は受けさせないことにした」と言われたら、「そっか。色々悩んだんだね。良いと思う!」と答えます。

まい

ただ避妊手術をしない場合は、子宮・卵巣・乳腺の病気になりやすいので、定期検診・観察を欠かさないようにしましょう。

飼い主自身の定期チェックと、獣医による健康診断を定期的に実施してください。

  • 定期的に病院で健康診断を受ける
  • 普段から触診して「しこり」の有無をチェックする
  • 乳首が肥大していないか目視でチェックする
  • 血尿などがないかトイレを注意して見る
  • 少しでも異変を感じたら病院に行く…etc.

早期発見早期治療すれば、ウサギの命が助かる可能性がグンッと上がります。

まい

ウサギのことを考え、悩んで出した結論に間違いなんてありません。誰に何と言われようと自信を持ってくださいね(私がこっそり応援していますよ)

まい

本日はここまで!では、また別の記事でお会いしましょう。

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