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「雄うさぎに去勢手術は必要?不要?どんなメリットやデメリットがあるの?」
まい
でも私はウサギに去勢手術を受けてもらいました。
- 去勢手術のメリット・デメリット
- 私が避妊手術を決めた理由
- 去勢手術のリスク軽減方法
について今回は詳しくお話しますね。
まい
ウサギの去勢手術は賛否両論あります。
「病気予防としての手術の必要性は低い」ので、「わざわざリスクのある去勢手術を受けさせるべきではない」との意見を持つ飼い主さんもいます。
本記事もけっして去勢手術を強く勧めたいのではありません。
でも何か重大な選択をする時は1つの偏った意見だけではなく、複数の意見を見聞きしてからの方が、より良い判断ができると思いませんか?
「ウサギとの10年後」を考えた結果、去勢手術を決断した私の経験が皆さんのお役に立てば幸いです。
目次
うさぎの去勢手術とは?どんな手術なの?
陰嚢(いんのう)を切開して精巣を取り出す手術。陰嚢は体外にあるので雌と比べると、体を傷つける度合(侵襲)は低い。
※参考書籍「よくわかるウサギの健康と病気P112」著者「大野瑞絵」
雄ウサギは雌ウサギと違って開腹手術はしません。
体外にある陰嚢を切開して精巣を取り出すだけなので、雌ウサギと比べると傷は浅いです。
開腹手術が必要な雌と比べると、雄の手術は比較的簡単という獣医さんもいます。
雄雌を一緒に飼育している場合は手術が簡単な雄を去勢する場合が多いです。
引用元:オダガワ動物病院
まい
まい
雄うさぎに去勢は必要?不要?
- オスとメスを多頭飼育している
- 繁殖や病気を予防したい
- 飼い主への攻撃性が高い
- スプレーやマウンティングがひどい
上記に当てはまるなら去勢手術を検討する。
去勢手術を受けさせるかは飼い主さんの気持ち次第です。
雌ウサギは3歳を超えると子宮に何らかのトラブルを抱える子が多くなったりと、若いうちから高い病気リスクがあります。
一方で雄ウサギは若い個体が精巣腫瘍になる例は少ないです。
障害に渡っての発症率も雌ウサギと比べ高くないので
「ウサギとの関係に悩んでいない」
のであれば手術の必要性は雌ウサギほど高くないからです。
まい
※ごめんなさい。ブログのリンクを貼りたかったけど、どこだったらわからなくなってしまいましたm(_ _)m
まい
雄うさぎ去勢手術のメリットとは?
- 精巣腫瘍の予防
- 長生きする傾向がある
- 攻撃性やマウンティングの減少
- 縄張り主張の減少
- 1番良い状態で手術を受けられる
- 妊娠させる心配がなくなる
※効果は個体差があるので、「②~④」に関してはあまり改善しない可能性もあります。実際に1代目ウサギ(♂)はあまり改善しませんでした。
雄ウサギは雌ウサギと比べて手術の必要性が低いのに、あえて去勢を選んだ理由を順番にお話しますね。
①うさぎ去勢手術で精巣の腫瘍を予防できる
雄ウサギも高齢化とともに精巣腫瘍のリスクが高まる。去勢手術すれば精巣腫瘍を予防できる。
雌ウサギと比べると雄ウサギの「病気予防目的の去勢手術」はあまり重要性を叫ばれていません。
ただ近年は雄ウサギも高齢化にともなって「精巣腫瘍のリスクが高くなる」ので、去勢手術を勧める獣医さんが増え始めています。
男の子の場合は女の子に比べると生殖器疾患は多くはないですが、近年高齢化が進んだうさぎさんの寿命を考えると、高齢での発生確率が高く、その年齢での麻酔のリスクは必然的に高くなります。近年の高齢化を考えると、男の子も去勢をした方が良い時代になったと思います。
引用元:ルナペットクリニック潮見
実際に私の友人ウサギですが9歳の時に精巣腫瘍になりましたが、年齢や体力的な問題で手術を断られてしまいました(2008年当時)
巨大化した腫瘍が排泄物で汚れ、皮膚状態が悪く化膿。 だんだんと食事が取れなくなり、でも何もできなくて…
ウサギもですが見ていることしかできない友人の姿も本当に、本当に辛そうでした。
まい
まい
②うさぎ去勢手術した方が長生きする傾向がある
去勢手術したウサギは長生きする傾向がある(参考書籍:よくわかるウサギの健康と病気p112)
ウサギは高い生殖能力を持っているため、交尾できない状態が続くのはとてつもないストレスになります。
とくに我が家のように「雄」と「雌」で飼っている場合は強いストレスを感じている可能性が高いです。
まい
③うさぎ去勢で強すぎる性衝動による攻撃性やマウンティングが減少
去勢後は性格が穏やかになるウサギが多い。飼い主に対する噛む、マウンティング(腰振り)が改善する可能性が高い。
早い子だと生後4ヶ月頃から凶暴化するウサギもいますが、去勢手術によって穏やかになるウサギは多いです。
手術を受けるメリットは「病気の予防」という点が大きいですが、それだけでなく、性的行動による飼い主さんへの凶暴な行動や、喧嘩、スプレーなどの予防にも効果的です。
引用元:パーク動物病院
我が家の3代目ウサギは生後4ヶ月頃に「ブッブー!!!」と興奮しながら2代目ウサギを追いかけ、マウンティングをしました。
ずっとスペースを分けて部屋んぽしていましたが、去勢後は一切マウンティングしなくなったので、一緒に部屋んぽできるようになりましたよ。
④うさぎ去勢手術で縄張り主張(スプレー、おしっこ飛ばし)が減少
縄張り主張によるスプレーやマーキングが減る可能性が高い。
とくに雄ウサギは縄張り意識が強いので、早い子だと生後4ヶ月頃から部屋のアチコチでオシッコするわ、オシッコを飛ばすわで苦労します。
ウンチ(臭いキツめ)でマーキングする子も多いのですが、去勢手術後は落ち着く子が多いです。
去勢後は性格が穏やかになる子が多く、また尿スプレーは90%以上が消失します。精神的ストレスの軽減だけでなく、人間と一緒に暮らすコンパニオン アニマルとしても好ましい状態に近づきます。
引用元:アニマルクリニックイスト
我が家のウサギはケージのトイレ以外に、部屋んぽスペースでもオシッコするのでトイレを設置していましたが、去勢後はケージ内だけでオシッコするようになりました。
⑤うさぎのコンディションが良い時に去勢手術を受けられる
若くて体力のあるうちに去勢手術が受けられる。病気が発覚してから手術するより死亡リスクが軽減する。
雄ウサギの精巣腫瘍リスクは高齢化にともない高くなる傾向があります。
腫瘍ができたら手術を受ければいいのですが、高齢ウサギは体力などコンディションの問題で、手術自体が受けられない可能性があるんです。
手術を受けられたとしても、高齢ウサギは手術後の回復に時間がかかる可能性もあります(最悪そのまま回復しないケースも…)
まい
⑥うさぎ去勢手術で雌うさぎを妊娠させる心配がなくなる
去勢手術すれば100%雌ウサギを妊娠させる心配がなくなる。オスとメスをペアで飼っていて、これ以上飼えないなら必ず去勢した方がいい。
「我が家はオスとメス別々で飼っているよ。大丈夫!」
と思っていても、何かの拍子でオスとメスが鉢合わせする可能性はゼロではないです。
親ウサギが野犬に襲われ脱走し、妊娠・出産を4~5回繰り返した事例が身近でありました。
生まれたウサギの1匹は我が家で暮らしています。
まい
ウサギの「繁殖への情熱」を舐めてはいけません。鉢合わせしたら5秒後には交尾をすると思ってください。
黒ウサギ(メス)が大好きすぎて視線でアプローチし続ける灰色ウサギ(雄)。
雄うさぎ去勢手術のデメリットとは?
- 麻酔の死亡リスクが高い
- 手術は100%安全ではない
- 手術後の食欲不振で死亡するウサギが多い
ウサギに去勢手術を受けさせない飼い主が多いのは、「手術の死亡リスクに見合った病気予防効果がない」のが大きな理由と言えます。
順番に説明しますね。
①うさぎの去勢手術は麻酔による死亡リスクが犬猫より高い
- 気管挿管が困難
- 強いストレスにより急死するリスクが高い
- アトロピン(心拍数を増加させる薬剤)が効きにくい
などの理由で麻酔管理が難しい(参考元:浜村動物病院)
他にもウサギ専用の麻酔薬がなかったり、麻酔中に体温が低下しやすかったり…
近年は麻酔技術が向上しているとはいえ、リスクがあることには変わりありません。
かかりつけの獣医さんからも「麻酔のリスク」については、わりと長く説明を受けた記憶があります。
まい
②うさぎ去勢手術の難易度は犬猫と変わらないけど100%安全ではない
雌ウサギと比べて雄ウサギの手術難易度は低い。獣医さんによっては犬猫と大きく変わらないと言うが100%安全はない。
「雄と雌をペアで飼っている」なら、比較的手術が簡単な雄を去勢する獣医さんもいます。
手術の難易度は「去勢<避妊」なんでしょうね。
ちなみに私はウサギ2匹に去勢手術を受けてもらいましたが、手術中のトラブルは一切なく無事に戻ってきましたよ。
まい
まい
③去勢手術後のストレスや痛みによる食欲不振で死亡するうさぎが多い
去勢手術後は高確率でウサギが食欲不振になる。食欲不振からの「うっ滞(お腹の病気)」になるウサギも多く、最悪の場合そのまま死亡する。
常にお腹が動き続けているウサギにとって、食事がとれないのは死活問題。
「そのうち食べるだろう」と放ったらかしにしていると、やがて死に至る恐れがあります。
ちなみに1代目ウサギは手術後も問題なく食事が摂れましたが、3代目ウサギは手術から丸一日半が経過するまで水さえも飲めない状態でした…
まい
まい
10年後に後悔したくないから私はうさぎの去勢手術に踏切りました
ウサギの去勢手術は難しい問題です。
獣医さんの中でも「勧める人」と「勧めない人(こっちが多い印象)」がわかれるぐらいです。
でも私は精巣腫瘍になった友人ウサギの姿がどうしても忘れられません。
「ウサギが高齢化して万が一精巣腫瘍になったら?」
「もし精巣腫瘍になっても手術できなかったら?”徐々に弱っていく姿を見ているだけ”に耐えられるか?」
上記のようなリスクに対し、確実に避けられる方法=去勢があるのであれば、私は選びたいと思いました。
迷って当然ですし、たくさん悩んで出した答えがウサギと飼い主にとっての正解です。
1つの目安として、
- オスとメスを多頭飼育している
- 繁殖や病気を予防したい
- 飼い主への攻撃性が高い
- スプレーやマウンティングがひどい
上記に当てはまるなら前向きに去勢を検討し、当てはまらないのであれば去勢しないのも1つの考え方ですよ。
正しい答えは決まっていないのでいっぱい悩みましょう。
うさぎ去勢手術の死亡リスクを下げる方法とは?
- 去勢手術前に複数の病院を比較する
- 若くて体力のあるうちに去勢手術を受ける
- 去勢手術前に手術後のケアを勉強しておく
- 去勢手術前日までに食欲不振への備えをする
- 去勢手術までに抱っこをマスターしておく
私が去勢手術のリスクを少しでも下げるために意識した5点を順番に紹介しますね。
①うさぎ去勢手術前に複数の病院を比較する
信頼できる腕のいい獣医さんを見つけましょう。
ネットの口コミだけで決めないでください。実際に獣医さんに会って、診察を受けてから決めることがた大切です。
「良いな!」と思った動物病院があったら、爪切りや健康診断を受けに行って、獣医さんのウサギに対する接し方をよ~くチェックしてください。
そして去勢手術に関して不安に思っていることをドンドン聞きましょう。
ちなみに我が家のかかりつけ獣医さんは、ウサギを高い診察台には乗せずに床に座って診察します。
ウサギを保定する手付きも慣れた感じですし、ウサギに優しく声をかけてくれますし、私からの質問にも丁寧に答えてくれます。
「ウサギ愛」が伝わってくる先生なので、安心して去勢手術をお任せすることができましたよ。
まい
②うさぎが若くて体力のあるうちに去勢手術を受ける
若いウサギは高齢ウサギと比べて体力があるので手術後の回復が早いです。
もし去勢手術を決めたら、なるべく若いうちに受けるのをオススメします。
ちなみに我が家のウサギ達は生後7~10ヶ月のうちに手術を受けました。
まい
③うさぎ去勢手術前に手術後のケアを勉強しておく
去勢手術後は必ず投薬が必要になります。
ウサギによっては食欲不振で強制給餌も必要になるかもしれません。
投薬と強制給餌のやり方を知らないと、ウサギの命を危険にさらしてしまいます。
まい
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④うさぎ去勢手術前日までに食欲不振への備えをする
去勢手術後のウサギは高確率で食欲不振に陥ります。
ウサギの大好物オヤツをたっぷり準備しておきましょう!
- ウサギが大好きな野菜と野草
- 強制給餌用の予備シリンジを購入(言えば病院でもらえる)
いざ食欲不振になって家に何もなかったらめちゃくちゃ焦るので、絶対に準備しておいてくださいね。
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⑤うさぎ去勢手術までに抱っこをマスターしておく
抱っこができないと投薬や強制給餌にかなり苦労します。
できれば去勢手術までにうさぎを抱っこ(保定)できるようになっておくと安心です。
抱っこ好きになってもらうのは難しいので、「いざという時に保定はできる状態」にできたらベストです!!
まい
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ウサギに去勢手術を受けさせないのも1つの正しい選択です。
私は去勢を選びましたが友人が「私は去勢しない」と言われても、「たくさん悩んだよね…良いと思う!」と賛成します。
まい
すべてのウサギに発生するわけではないですが、やはり高齢化にともなって腫瘍のリスクは上がります。
少し大変ですが毎日ウサギの睾丸(タマタマ)が腫れていないかチェックしてください。
どれくらい腫れたら危ないのか?」は個体差があるので目安はありません。
毎日観察して平均的な大きさを知るのが大事。
「いつもより腫れている」と感じたら即病院へ連れて行ってください。
まい